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隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)にご注意を。症状と4つの対策を解説

2023年5月31日

疲れやすい、仕事や家事をやる気が出ない、なんとなく体調が悪い……。これらに思い当たりがある方は、貧血の手前の隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)なのかもしれません。

今回は、隠れ貧血をセルフチェックする方法や対策するときのポイント、治療に適した診療科などについて解説します。

隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)とは?

一般的な貧血は、血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」が一定以上減った状態を指します。それに対し、隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)は、ヘモグロビン値は正常ですが「フェリチン」が体内で不足した状態を指します。

フェリチンは貯蔵鉄とも呼ばれるたんぱく質の一種で、細胞内に鉄を貯蔵しているのが特徴です。血液中の鉄分が足りないときは、フェリチンとして貯蔵してある鉄分を利用してヘモグロビンが作られます。しかし、フェリチンが不足すると体内の鉄分量を調整できなくなり、ヘモグロビンが減少して貧血につながるおそれがあります。

こうしたメカニズムから、フェリチン不足による隠れ貧血は「貧血の一歩手前」や「貧血予備軍」といわれることもあります。隠れ貧血は、フェリチンが15mg/ml以下になったときに診断されます。

健康診断ではヘモグロビン値は測定されますが、フェリチン値は測定されません。そのため、自覚がないままに隠れ貧血になっている場合があります。とりわけ、月経のある女性は貧血になりやすいため注意が必要です。月経のある20~40代の女性のうち、約65%が貧血、もしくはかくれ貧血に該当するとされています。

隠れ貧血の症状をセルフチェック

鉄分には、体内で酸素を運搬する、筋肉の収縮に影響を与えるなど、さまざまな働きがあります。また鉄分不足になると、やる気を高めてストレスを軽減するドーパーミンや精神を安定させるセロトニンの分泌が低下して、メンタルにも影響を与えます。

そのため、隠れ貧血になると次のような症状があらわれることがあります。セルフチェックをしてみましょう。

・朝なかなか起きられない日が続いている
・慢性的な肩こりがある
・最近、疲れやすいと感じる
・集中力が持続しない
・全身にだるさ・倦怠感がある
・頭が痛い日や、重いと感じる日が多い
・食欲がわかない
・薬やサプリなどの飲み込みが悪くなった
・舌や口の中が荒れる
・落ち込んだり、イライラしたりする日が続いている

心配な方は、フェリチンの値を含めた血液検査を受けるか、健康診断のときに追加で検査を依頼してみるといいでしょう。

隠れ貧血の対策4つ

隠れ貧血の対策につながる、4つの食生活の見直しポイントを解説します。

対策【1】鉄分を摂る

体内の鉄分が不足するとフェリチンが消費されてしまうため、鉄分を摂取することが大切です。

鉄分には、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品などに含まれる「非ヘム鉄」があります。非ヘム鉄の吸収率は3~5%ほどであるのに対し、ヘム鉄の吸収率は25%と高めなので、できるだけ動物性食品から摂取しましょう。

また、非ヘム鉄はビタミンCやクエン酸を一緒にとると吸収率がアップするので、ほかの食べ物との組み合わせも意識すると良いでしょう。ビタミンCは主に緑黄色野菜などに、クエン酸はレモンなどの柑橘類のほか梅などに含まれています。

・ヘム鉄が含まれる食べ物…牛もも肉、レバー、カツオ、イワシなど。
・非ヘム鉄が含まれる食べ物…緑黄色野菜、豆類、穀物、海藻、卵など。

外食が多い、動物性食品をあまり食べられないなど理由で食事による鉄分摂取が難しい方は、サプリメントを活用するのもひとつの手です。

対策【2】葉酸を摂る

葉酸はビタミンB群の水溶性のビタミンであり、造血作用があるので隠れ貧血対策に役立ちます。主に次の食べ物に含まれているので、積極的に摂りましょう。

・藻類…焼きのり、あおさ、乾燥わかめなど。
・野菜類…切干しだいこん、ブロッコリー、アスパラガスなど。
・乳類…ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルトなど。
・豆類…きな粉、納豆、豆乳など。

対策【3】ビタミンB12を摂る

ビタミンB12は正常な赤血球をつくるのに役立つ栄養素で、葉酸と共に「造血のビタミン」といわれることもあります。植物性食品にはほとんど含まれていないため、下記のような動物性食品から摂りましょう。

・貝類(アサリ、シジミ)
・青魚(サンマ、イワシ)
・牛レバー、鶏肉

葉酸もビタミンB12も水溶性ビタミンなので、加熱したときに溶けだした栄養素を逃さないことが大切です。味噌汁やスープ、鍋などに入れれば丸ごと食べられるほか、汁ごと使える缶詰を活用するのも良いでしょう。

対策【4】コーヒーや緑茶は控えめに

緑茶や玉露茶、紅茶、コーヒーなどには、鉄分の吸収を妨げるタンニンが含まれているので、食事中や食前・食後は控えましょう。タンニンは抽出時間を長くするほど多く含まれるので、どうしても飲みたい場合は抽出時間を短くして極力薄くしてください。

また、タンニンが少ないお茶や含まれていないお茶に置き換えるのもおすすめです。

・タンニンが少ないお茶…番茶、ほうじ茶、玄米茶、烏龍茶など。
・タンニンの含まれてないお茶…麦茶など。

隠れ貧血は何科を受診するといい?

隠れ貧血に心当たりがある場合、基本的には内科を受診しましょう。医療機関を受診すると、血液検査の結果を踏まえて、患者さまひとりひとりに適した治療が行われます。

内科の診療を行っている仁井田ゆいクリニックでも、貧血の治療を行っております。地域のかかりつけ診療所として幅広く対応いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。