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腸閉塞とは?原因・症状・治療法を分かりやすく解説

2024年9月2日

腹痛や腹部膨満感、便秘といったお腹の症状が出る原因のひとつに腸閉塞(ちょうへいそく)があります。腸閉塞は自然と治ることがない病気なので、症状が出たら我慢せずに医療機関を受診することが大切です。

 

そこで今回は、腸閉塞の症状や原因、治療法、食事の注意点などについて解説します。

 

腸閉塞とは?イレウスとの違いも解説

腸閉塞とは、何らかの原因で腸(小腸・大腸)の内容物が肛門側へ運ばれなくなってしまった状態のことです。大人・子どもを問わず、すべての年齢で発症する可能性がある急性の疾患でもあります。

 

これまでの日本では、腸閉塞とイレウスが同じ意味をもつ言葉として扱われている傾向がありました。イレウスという名前なら聞いたことがある……という方もいらっしゃるかもしれません。しかし近年では、腸閉塞とイレウスを下記のように区別することがあります。

 

・腸閉塞…腸管が物理的に狭くなったことで生じるもの

・イレウス…腸管の動きが麻痺することで生じるもの

 

腸閉塞の症状と前兆

腸閉塞の主な症状は、吐き気や嘔吐、腹部膨満感(お腹の張り)、腹痛などです。その他の症状として重度で持続性の便秘、おならが出なくなる、発熱、頻脈、食欲不振などがあらわれることもあります。

 

腸閉塞による腹痛は、痛みが強くなったり、弱くなったりするのを繰り返すことが多いです。また、腹痛が起こる場所は下腹部中央やへそ周囲、左下腹部、腹部全体など個人差があります。

腸閉塞は前兆・なりかけの症状で分かる?

腸閉塞は小腸と大腸のどちらにでも起こる可能性がありますが、症状のあらわれ方が異なります。

 

小腸閉塞では、発生直後からおへその周囲または心窩部(みぞおち辺り)を中心とする腹部のけいれんや嘔吐が出現しやすいです。完全閉塞の場合は、重い便秘が持続することもあります。

 

大腸閉塞は、小腸閉塞より軽度の症状が徐々に出現することが多いです。重い便秘や腹部膨満感が出現しやすいとされています。

 

これらのことから、腹痛や吐き気・嘔吐、腹部膨満感、便秘といったお腹の症状が続くのは腸閉塞の疑いがあることを知っておきましょう。

 

腸閉塞の主な原因

腸閉塞で特に多い原因は、腹部手術をした後にお腹の組織や臓器がくっついてしまう癒着(ゆちゃく)です。胃や大腸、肝臓、胆のう、すい臓、子宮、卵巣などの手術による癒着が、腸閉塞を引き起こすことがあります。

 

そのほかの腸閉塞の原因には、次のものがあります。

 

・憩室炎(大腸内の憩室に起こる炎症)

・胆石を含む異物

・腸捻転(腸管がねじれる)

・腸重積症(小腸の終わりが大腸の始まる部分に入り込む)

・腫瘍

・かたまり状になってしまった硬い便

・ヘルニアなど

 

大人の腸閉塞では癒着やヘルニア、腫瘍が多い傾向です。一方で、小さい子ども(新生児や乳児)の腸閉塞は、腸捻転や腸重積症が多い傾向だといわれています。

 

腸閉塞の診断と治療法は?食事の注意点も

腸閉塞を疑う症状が続くときは、速やかに医療機関を受診してください。消化器内科や消化器外科を受診すると良いでしょう。

 

ここでは、腸閉塞の疑いがあるときに受ける検査や問診で聞かれること、治療法、食事について解説します。

腸閉塞の診断:病院ではどんな検査や診察を受けるの?

腸閉塞の疑いで医療機関を受診した場合、問診では症状があらわれた時期や腹痛の程度、腹部の手術歴の有無、内服薬の有無などを確認します。また、腹部の診察で腹部の圧痛や腫れ、腫瘤がないかを調べることもあります。

 

腸閉塞の疑いがあるときは、腹部X線検査を必ず実施します。ほかにも腹部CT検査、血液検査、小腸造影検査などを実施することがあります。

 

・腹部X線検査…腸閉塞の有無が分かります

・腹部CT検査…腸閉塞の正確な位置と原因の特定に役立ちます

・血液検査…脱水症状や電解質の異常を調べます

・小腸造影検査…癒着の程度などを調べます

腸閉塞はどんな治療を受けるの?

腸閉塞の治療は、原因や症状の重さによってさまざまです。通常は、入院治療によって腸に負荷をかけないようにするための絶食や、水分と栄養を補給するための点滴などを行います。

 

鼻から胃や腸に挿入する細長いチューブ(経鼻胃管)を使って、腸内の内容物をとることもあります。また、腸内の内容物から血管内へ細菌が侵入するのを減らすために抗菌薬を投与することもあります。

 

下記の場合は、手術(腹腔鏡下手術や開腹手術)が必要になると考えられています。

 

・上記の治療(絶食や点滴など)で症状が改善しない

・腸閉塞を繰り返している

・緊急手術が必要と判断されたなど

食事はいつからとれる?食べてはいけないものは?

手術をしなかった場合は、腹痛や嘔吐といったお腹の症状の消失が、食事を再開する目安になります。食事を再開する際は、いきなり通常のメニューに戻さず、三分粥、五分粥、全粥というように段階的に戻していきます。

 

【治療後に食べてはいけないものはある?】

下記のような消化が悪い食べ物、脂っこい食べ物はできるだけ控え、食べ過ぎないようにすることが望ましいです。また、消化を助けるためによく噛んで食べましょう。その他、医師の指導に従って食事をとってください。

 

・不溶性食物繊維が豊富な食べ物…ごぼう・さつまいも・こんにゃくなど

・豆類…納豆・大豆・あずき・枝豆など

・種実類…ピーナッツ、ゴマなど

・揚げ物…天ぷら、から揚げなど

 

食事だけで腸閉塞の再発を完全に防ぐことはできませんが、食べる物などに気をつけることは起こしにくくすることに役立ちます。

まとめ

便秘や腹痛、腹部膨満感など、お腹の症状が出る病気は腸閉塞だけではありません。これらの症状がつらいときや長引く場合は、無理をせずに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。

 

仁井田ゆいクリニックでは、胃カメラ・大腸カメラの検査を含めて、消化器内科疾患を専門的に診療いたします。地域のかかりつけの診療所として幅広く対応しますので、お腹の症状にお困りの際は、まずは当院までご相談ください。