倦怠感・だるさが続く原因は?風邪・肝臓の病気・貧血も関係する?
倦怠感とは、いつもの生活が送りづらいと感じるような疲れた状態のことです。「だるさ」といわれることもあります。
倦怠感は、睡眠や食生活などの生活習慣が原因となって引き起こされることもあれば、病気が原因の場合もあります。発見が遅れると進行する病気が関係していることもあるので、倦怠感は意外と侮れません。
あなたは「だるい、疲れやすい」と感じても無理をしていませんか?今回は、倦怠感が続く身近な原因と対処法、さらに倦怠感に関係のある病気について解説します。
日常生活に潜む倦怠感の原因と対処法
倦怠感が続く原因には、睡眠や精神的なストレス、食生活の乱れ、運動不足などがあります。ひとつひとつ詳しく解説します。
倦怠感の原因【1】睡眠
睡眠のリズムが安定せず、深い眠りにつけない状態が続くと、疲労回復が難しくなり、倦怠感の原因になる可能性があります。起床時間や就寝時間がバラバラである、夜更かしすることが多い場合は、規則正しい起床と就寝を心がけましょう。
浅い睡眠が続くと、倦怠感のほかにも眠気や集中力の低下、イライラ、落ち込みといった不調があらわれることがあります。
倦怠感の原因【2】ストレス
過剰なストレスは自律神経の乱れにつながり、心身のさまざまな不調の原因になります。倦怠感が続くのもそのひとつです。ストレスの原因はさまざまですが、次のようなものが挙げられます。
・仕事のプレッシャー
・人間関係の悩み
・引っ越しや転職などによる生活環境の変化
・結婚や出産による生活リズムの変化など
ストレスに耐えられる限界には個人差があるので、無理をしないことが大切です。
倦怠感の原因【3】食生活の乱れ
食事を抜いたり、栄養バランスの偏った食事を続けたりすると、栄養不足になって倦怠感の原因になることがあります。
一方で食べ過ぎにも注意が必要です。食べ過ぎは消化によって体に余計な負担をかけてしまい、倦怠感につながるおそれがあります。中でも、糖質が豊富なお菓子やお酒などの摂り過ぎには気をつけましょう。糖質を摂り過ぎると、血糖値を下げるために膵臓が働き過ぎてしまい、倦怠感の原因になることがあります。
倦怠感の原因【4】運動不足・過剰な筋肉運動
運動不足と過剰な筋肉運動は、どちらも肝臓に負担をかけ過ぎることで倦怠感の原因になる可能性があります。
運動不足によって血流が滞ると、汚れた血液の処理をするために肝臓に過度な負担がかかってしまいます。
筋肉やエネルギーの消耗は、疲労の原因物質であるアンモニアを発生させると考えられています。肝臓にはアンモニアを無毒化する働きもあるので、余計な負担をかけることにつながってしまいます。
生活習慣による倦怠感の対処法
倦怠感があるときは体を動かさない方が良いと、考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、ウォーキングやヨガ、体操といった軽い運動をした方が倦怠感の軽減が期待できるといわれています。ストレッチやマッサージで体の緊張をほぐすのも有効です。体調を崩さない無理のない範囲で、軽めの運動を取り入れてみましょう。
ストレスの解消には、趣味を楽しむ、好きな音楽を聴く、リラックスできるアロマを取り入れるといった方法で気分転換をするのがおすすめです。
また、「疲れを感じやすい時間帯」と「比較的動ける時間帯」を把握することも、倦怠感の軽減に役立ちます。ご自身の状態を振り返り、疲れやすい時間帯はゆとりをもったスケジュールを組むといった工夫もしてみましょう。
倦怠感の原因になる主な病気(熱ありの場合)
発熱をともなう倦怠感は、病気が原因の場合があります。ここでは、発熱をともなう倦怠感の原因になる主な病気について解説します。
風邪
風邪は、主にウイルス(アデノウイルスやRSウイルスなど)が原因となって起こる急性炎症の総称です。風邪による倦怠感は、ひき始めや治りかけに出ることが多いといわれています。
風邪が原因の場合、倦怠感のほかにも発熱や鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、痰、頭痛などの症状がみられることが多いです。ただし、倦怠感が強く、38℃以上の高熱が急激に出る、関節痛・筋肉痛などの全身症状が出る場合はインフルエンザの可能性があります。
肝臓の病気(急性肝炎など)
発熱をともなう倦怠感の原因のひとつに、急性肝炎があります。急性肝炎は、肝炎ウイルスの感染が主な原因で、短期的に肝臓に炎症が起こる病気です。
急性肝炎になると倦怠感や発熱、喉の痛み、頭痛などの風邪に似た症状のほか、次のような症状がみられます。
・食欲不振
・吐き気
・腹痛
・発疹(皮膚が赤くなる、ブツブツするなど)
・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
・尿が茶色くなる
肝炎が6か月以上続く場合は、慢性肝炎と診断されます。また、発見が遅れると肝臓がんや肝硬変に進行することもあります。自覚症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
倦怠感の原因になる主な病気(熱なしの場合)
熱が出ていない場合でも、病気が倦怠感の原因であることがあります。ここではふたつの病気を解説します。
糖尿病
糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血糖(血液中のブドウ糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から分泌されるホルモンの一種で、血糖値を一定に保つ働きがあります。
10人中、9人以上は2型糖尿病といわれ、40歳以降に発症することが多いです。2型糖尿病は初期の段階で自覚することは難しく、倦怠感をはじめとした次の症状が少しずつあらわれます。
・喉が渇く
・水をよく飲む
・体重が減る
・トイレが近くなる
・手足の感覚が低下するなど
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、赤血球に含まれるヘモグロビンが構成できずに起こる貧血のことです。貧血疾患の中でも特に多いといわれています。
鉄欠乏性貧血の原因は体内の鉄不足で、偏った食生活のほか、女性の場合は月経によって引き起こされることがあります。
鉄欠乏性貧血は無症状のことが多く、自覚症状が出たときにはかなり進行している可能性があります。倦怠感のほかに息切れ、顔色不良、味覚障害、爪の変化(反り返る、割れやすいなど)、口角炎といった症状がみられます。
原因不明の倦怠感が続くときは当院へ
倦怠感は、ストレスのため過ぎや病気のサインの可能性があります。しっかり休養をとっても倦怠感がとれない、すぐに疲労を感じるときはぜひ一度、医療機関を受診しましょう。
仁井田ゆいクリニックは「仁井田のかかりつけ医」として、幅広い診療に対応いたします。原因不明の倦怠感が続く際も、ぜひご相談ください。