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秋田市フレイル予防プログラムをご存じですか?食事や運動の見直しを

2023年8月29日

元気に自立して日常生活を送ることができる、健康寿命をのばすための取り組みとして「フレイル予防」が注目されています。

フレイル予防では、具体的にどのようなことを心がければいいのでしょうか?

今回はフレイルの意味や、フレイル予防につながる3つの柱、そして秋田市が取り組んでいるフレイル予防プログラムについてご紹介します。

フレイルとは?

フレイル(虚弱)とは、歳を重ねて心身の活力が低下した状態のことです。多くの人は、健康な状態からプレフレイル(前虚弱)とフレイルの段階を経て、要介護状態に陥ると考えられています。

フレイルは「身体的」「精神・心理的」「社会的」の3つの種類に分けられます。

【身体的フレイル】
筋肉の衰えや、運動器の障害による移動機能の低下など。

【精神・心理的フレイル】
定年退職や伴侶喪失で引き起こされる、うつ状態や軽度の認知症の状態など。

【社会的フレイル】
社会とのつながりが希薄化することで生じる、独居や経済的困窮の状態など。

3つのフレイルが連鎖すると老いが急速に進むため、身体面だけでなく、心理面や社会とのかかわりもケアすることが大切です。

フレイルの兆候5つ

フレイルの兆候5つのうち、いくつ当てはまるか確認してみましょう。1~2つ当てはまる場合はプレフレイルの可能性が、3つ以上当てはまる場合はフレイルの可能性があります。

1. 歩く速さが低下している
2. 疲れやすい、何かを行うことがおっくうに感じる
3. 人との付き合いを面倒に感じ、活動する機会が減っている
4. 筋力や筋肉量が低下している
5. 意図せず体重が減少している(半年で5%以上)

フレイルには「可逆性」があると考えられており、予防に取り組めば、その進行を緩やかにして、健康な状態に戻せる可能性があります。そのためにも、5つの兆候から心と体のちょっとした衰えにいち早く気づき、予防を始めることが大切です。

指輪っかテストでセルフチェック

「指輪っかテスト」では、高齢などにより筋肉量が減少していくサルコペニアの危険度を簡易的に調べられます。

やり方は簡単で、両手の親指と人差し指で輪を作り、利き足ではない方のふくらはぎの一番太い部分を力を入れずに軽く囲みましょう。指で囲めない人は、サルコペニアの危険度が低いとされています。

指とふくらはぎにすき間ができる人は、サルコペニアの危険度が高く、転倒や骨折に注意が必要です。

※「指輪っかテスト」は、東京大学高齢社会総合研究機構が実施した柏スタディをもとに考案された方法です。

フレイル予防3つの柱

ここでは、厚生労働省が掲げる「フレイル予防3つの柱」をご紹介します。

フレイル予防【1】栄養(食事)

歳を重ねて食欲がなくなり、噛む力が弱まると、食事量が減少して「低栄養」の状態に陥りやすくなります。

フレイル予防では1日3食を心がけ、そのうち2回以上、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事をとるように心がけましょう。市販の総菜や缶詰、レトルト食品や、バランスのとれた配食弁当の活用もおすすめです。

とりわけ、たんぱく質不足は筋肉量の減少につながるため、積極的に摂りましょう。たとえば、間食にヨーグルトを食べる、コーヒーに豆乳を入れて豆乳ラテにするといった方法でもたんぱく質の摂取は可能です。あわせて、こまめな水分補給も心がけてください。

フレイル予防【2】身体活動(運動)

筋肉の衰えは、フレイルの最も大きな原因のひとつといわれています。ウォーキングやスポーツ、庭いじり、趣味の活動などを通して、積極的に体を動かしましょう。スクワットや片脚立ちで、意識的に筋肉を鍛えるトレーニングをすることも効果的です。

【スクワットのポイント】
深呼吸をするペースでスクワットを5~6回しましょう。これを1日3回行います。かがむときは膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。

【片脚立ちのポイント】
床につかない程度に片脚を上げる動作を、左右1分間ずつ、1日3回行います。転倒しないよう、壁やテーブルなどつかまるものがある場所で行ってください。

フレイル予防【3】社会参加

地域のボランティア活動や趣味のクラブなど、自分に合った活動を見つけましょう。友人や近所の方達とのおしゃべりや、家族と一緒に食事をすることもフレイル予防につながります。

秋田市フレイル予防プログラムについて

秋田市では「秋田市フレイル予防プログラム」を実施しており、秋田市フレイルサポーターによるフレイル測定会が受けられます。フレイル測定会では、質問票を使った自己チェックや、筋肉量や滑舌などの測定を行います。

測定会は自分の健康状態を振り返り、フレイルの兆候を早期に発見して日常生活を見直すことにつながるので、ぜひ参加してみましょう。フレイル測定会は不定期に開催されるため、日程などが決まった際は『広報あきた』で案内されます。

このほか秋田市では、フレイル予防講演会やフレイル改善教室といった、啓発イベントが開催されることもあります。健康寿命をのばすために、秋田市によるフレイル予防の取り組みも活用していきたいですね。

 

当院へお気軽にご相談ください

家族やご自身に「フレイルの兆候かもしれない」と気になる症状があるときは、ぜひ、かかりつけ医にご相談ください。

当院でも地域のかかりつけ医として、患者さんのお悩みやお困りの症状をお伺いいたします。持病などで通院されたときに、食事や運動、健康についてのご相談をいただくことも可能です。

このほか、自治体の地域包括支援センターでもフレイル予防に関する相談を受けつけています。心と体のちょっとした衰えに気づいたら、おひとりで悩まず、ぜひ当院や地域包括支援センターにお話しください。